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1571. 作文 [教育の話題]

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            杏林大学外国語学部金田一秀穂教授

 言語学者の金田一秀穂先生が文化講演会でこんな話をしていました。

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 娘の高校で、「本を読んで、あなたの考えを書け」という課題が出た。彼女は「つまらなかった」と書いたら30点しかもらえなかった。
 「『自分の考えを書け』というので書いたのだから、その点では正しいはずだ。70点位はもらってもいい。」
 と彼女は言う。確かにその通りだ。しかしそう言うと勉強しなくなるので、教えた。
 「その先生はどんな先生なんだい?」
 「ワンピースをひらひらさせて香水を匂わせてる先生」
 「そんなチャラチャラした先生の中に、お前の考えを聞きたい人なんて一人もいない。お前は先生がどう思うかを書くべきなんだ。『花園の描写が美しい』とか。」

 賢い子とはそういう忖度(そんたく)にたけた子なのだ。そしてそんな人が日本の国を動かす上の人になる。私の学生に『日本人に英語は必要か』という作文を書かせると、ほとんどが「必要だ」と最初に書き、その後理由が続く。これは外国語学部の教授の出題だからだ。しかし作文とは、自分が何を考えているか言葉を紡いでまとめていくもので、最初に結論があるものではない。
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 娘さんの例は、世間におもねた作文を書くなという先生流のレトリックと捉えました。確かに生徒達の作文でも、主張の多くは一般受けする範囲内で書かれています。知識量の少ない中では仕方のない事です。しかし知識と経験を積んだ将来は、是非世論を導くような鋭い文章を書いて下さい。


** 高校生のコトバ **************************

川柳 : 「ごめんね」と 伝えたいのに 切り出せず (白のパンダ)

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