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1498. 完全さ [地歴公民科]

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                                 イマニエル=カント                                

 ウソは絶対にいけない事でしょうか?中国の孔子は、人間にとって大事なのは、自分の良心に正直な「忠」と相手の気持ちを思いやる「恕」だと言いました。しかし弟子の子貢が、「人として生涯貫き通すべき一語があれば教えて下さい」と聞くと、「それは恕だ」と答えました。孔子は、相手を思いやってのウソならば必ずしも否定しないと言っているようです。

 ドイツの哲学者カントは、「あなたたが今やろうとしている行為が、どこの誰がやっても問題が起きないなら、やりなさい。」※1 と言っています。彼は、ウソは必ず矛盾を引き起こすので絶対についてはならないと言っています。

 昨日の授業で、「結婚するならどちらがいいか?」という話になりました。もちろん生徒は孔子の方です。批判する余地のないほど完全な人物は、指導者としては理想的ですし尊敬もされますが、一生涯の伴侶となると尻込みされていました。

 「愛を持続するには尊敬が必要」と言われます。しかし、互いに気軽に指摘し合える「不完全さ」も絶対に必要です。交互にささやかな優越感を味わっていくのも悪くありません。基本的にウソはいけませんけど。生涯独身を貫き、一本筋の通ったカントの生き方には敬意を表しますが、私自身は何事も程々という生き方の方がピッタリ来ます。

 ※1 カントの「道徳法則」で、原文直訳は「汝の意志の格率が常に同時に普遍的立法の原理として妥当し得るよう行為せよ。」である

** 高校生のコトバ **************************

狂歌 : 庭先で アリを見つめる 父親に ふと垣間見る 少年の顔
  (D)

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