1411. 幸せ

　　　　　　　　　　　　　　　秋の日に映える長老湖

　昨日、妻と蔵王山麓の「長老湖」に紅葉を見に行きました。残念ながら盛りは過ぎていましたが、久しぶりに命の洗濯をさせてもらいました。すぐ近くに宿をとったところ、そこのレストランで36年ぶりの教え子に声をかけられました。高校時代はかなり「やんちゃ」だった彼も54歳、今はそこの代表を務めています。

　青白い30歳の私は、初任として行った高校で彼らにたっぷり鍛えられました。ほぼ毎日、何らかの「課題解決学習」の宿題を出されていたようなものです。叱ったり、褒めたり、なだめたり…、この時期にその後の教員生活に必要なスキルの9割を学んだ気がします。

　しかしこの悩み続けた経験が、後に宝となりました。一年生の時に私とあちこちでぶつかった彼らも、二年、三年と進級するにつれて徐々に気持ちが通じるようになり、私達のクラスは合唱祭、運動会、球技大会と全ての学校行事で三年間優勝しました。図に乗った三年目、クラス旗は生意気にも黒地に金文字の「強すぎちゃってゴメンね！」でした。卒業を前にしたホームルームでは、皆で大粒の涙を流しました。卒業後も彼らは私の引っ越しに駆けつけてくれるなど温かい支援をしてくれました。

　今回別れ際に、彼は私達夫婦に「7年経つと咲きますから」と、月下美人の苗を一つくれました。あらためて教員になれた幸せに感謝した小旅行でした。

**　高校生のコトバ　**************************

名言 : 夏休み　始まる前が　一番楽しい。 (ん)

コメント 6

生徒さん達にそれほど感謝されるなんて、ほんとにいい先生でいらしたのでやすね。（あっ！過去形にしてしまっては失礼でやすね）
あっしの人生の中では、中一の時の担任が唯一、あっしを解ってくれたいい先生でやした。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-11-01 18:30) 

ぼんぼちぼちぼち様、
　いえいえ、「なめ猫ブーム」真っ盛りの当時は、生徒も教員も極端にとんがっていました。私も生徒の頭を出席簿で引っぱたいたりしていましたから、決して褒められた教員ではありませんでした。しかし里芋洗いじゃありませんが、狭い学校の中でゴツゴツこすれ合う内に、両方が丸くなっていきました。そして十年ぐらい経った頃には、「選べない」とか「逃げられない」という状況こそが人を成長させてくれる貴重な機会である事に気づき、今はこの話を孫のような生徒達に伝えています。
　コメントありがとうございました。
by サボテン (2020-11-01 20:14) 

心温まるお話・・・教師冥利につきますね(*'▽')
ほっこりとした気分になりました。　私も居なくなったとき
ちょっぴり寂しいねと思ってもらえる足跡を残していきたいな(^_-)-☆
by 侘び助 (2020-11-02 21:20) 

侘び助様、
　カメラ片手に、多くのお友達と人生を楽しんでいらっしゃる侘び助様の人生はすばらしいですね。私は近所づきあいが下手で、家と学校の往復で人生を歩んできた気がします。そんな人生でも、実は十分楽しませて頂いたんですけどね。80歳まであと10年、もう少し侘び助様に近づけるよう友達作りに努力してみたいと思います。まずは町内会行事かな。
　コメントありがとうございました。
by サボテン (2020-11-03 00:22) 

生徒さんに慕われるいい先生でいらしたのだなと思いました。
月下美人の苗を育てるのが、楽しみですね。こういうプレゼントって素敵だなと思いました。
by coco030705 (2020-11-05 23:40) 

coco030705様、
　ありがとうございます。いい先生になろうと思ってはいますが、なかなか理想に近づけずにおります。でもイエス様やお釈迦様のような完璧な存在になってしまったら、きっとお嫁さんの来てもなかったろうと思っています。最近は、人間凸凹ある方が本人も周りも面白いはずと開き直っています。月下美人のプレゼントは、私に7年以上生きろというメッセージと受け取っています。まだまだがんばります。
　コメントありがとうございました。
by サボテン (2020-11-06 01:08)